2010年01月02日

光の帝国 恩田陸 ★★★


内容(「BOOK」データベースより)
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。

不思議な能力を持つのに、驕ることなくひっそりと生活していく人々。
自分の持つ能力、そして使命を受け入れて育っていく子供。
常野の人たちの生き方に、とても惹かれる物語。
連作短編ということで、この1冊の中で絡み合っている物語がわかると、さらに奥深いものを感じました。
その中でも表題にもなっている「光の帝国」は涙無しには読めません。
こんなにひっそりと暮らしているのに、どうしてそういう運命が待ち受けているのか、と。
「常野物語」はこのあと「蒲公英草子」「エンドゲーム」と続いていきます。
読んですぐ、この続編を買いに行きましたが
続編より、この作品が一番感動しました。

光の帝国―常野物語 (集英社文庫)光の帝国―常野物語 (集英社文庫)

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2009年04月17日

Story Seller 新潮社ストーリーセラー編集部

内容(「BOOK」データベースより)
これぞ「物語」のドリームチーム。日本のエンターテインメント界を代表する7人が、読み切り小説で競演!短編並の長さで読み応えは長編並、という作品がズラリと並びました。まさに永久保存版アンソロジー。どこから読んでも、極上の読書体験が待つことをお約束します。お気に入りの作家から読むも良し、新しい出会いを探すも良し。著作リストも完備して、新規開拓の入門書としても最適。


7人の作家さん、それも日本を代表する今勢いのある作家さん達ばかり。
久々に本多孝好さんの作品が読みたくて手にしたのですが、
一番のお気に入りになったのは、有川浩さんの作品でした。
何かを表現したいっていうのは、人間の奥底にある本能なんだってことを痛感できる作品でした。
ノンフィクションであるかのようにさえ感じられたり。

7人中、私がこれまでに読んだことがあったり知っていたのは4人。
あとの3人は、新たな出会いになったわけですが、有川さんもその一人。
これから、チェックしたい作家さんに加わったわけです。

短編集というよりは、もうちょっと読みごたえのある中編?という感じで
良くも悪くも、その作者さんの特徴がよく出ている作品ばかり。
アンソロジーとはいっても、特にテーマが決まっている感じではないので、
作品ごとに頭を切り換えないと、時々違和感を感じることもありますが、
でも逆に、テーマが絞られていない分
どんな人にも、ひとつはお気に入りが見つかるかもしれませんね。


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2007年10月01日

教室の正義 赤川次郎


内容(「BOOK」データベースより)
日本の高校生の代表として、スイスの国際会議でスピーチすることになった岐子。学校では「反抗的な問題児」として教師たちから嫌がらせを受けていた岐子だが、その独立心が認められ、スイスに招かれたのだ。国際会議の当日、岐子は日本の学校の問題点を率直にスピーチし、海外のメディアから注目と賞賛を集めた。しかし、日本の新聞だけは岐子のスピーチを酷評する記事を掲載する。その記事は、教育委員会が裏から国会議員に手を回して書かせたものだと岐子は知らされた―(「大人の時間」より)。社会の歪みをまっすぐに見つめる著者が、現代日本の危機に一石を投じる衝撃の作品集。

タイトルになっている作品を含め5つの短篇からなります。
他国の戦争を政治・企業利益のかけひきに使う政治家
教育現場まで力でねじ伏せようとする社会
大きな力に左右されて真実が報道できないマスコミ・・・
そういった今の日本の現状を風刺して書かれた作品ばかりです。
でも、読んでいるとなんとなく、現実になりそうな気がして
というより、もう既に、こういう事が起こっている気がして、
かなり怖くなりますね。

教室の正義―闇からの声 (角川文庫 あ 6-137)
教室の正義―闇からの声 (角川文庫 あ 6-137)赤川 次郎

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2007年02月07日

神様 川上弘美 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである―四季おりおりに現れる、不思議な“生き物”たちとのふれあいと別れ。心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。デビュー作「神様」収録。ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。

くまと散歩に行くからと言って、童話や絵本ではないのです。
うまく書けないけれど
現代の社会では失われてしまったり、もともとなかったりするモノを持ったいきもの達が登場するけれど、
それを受けとめる私は、ちゃんと現代社会に立っているのです。
ほんわかと、やさしい文章だけど、魂にはちゃんと響いてくる。
繰り返し読みたくなります。

神様
神様川上 弘美

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2007年01月16日

ニシノユキヒコの恋と冒険 川上弘美

内容(「BOOK」データベースより)
ニシノくん、幸彦、西野君、ユキヒコ…。姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、傑作連作集。



いる、いる、こういうオトコ。
女性なら、きっと誰もがニシノユキヒコ的男性に心当たりがあるはず。
そんな男性に振り回された経験を振り返りつつ、お読みください。
振り回されていた最中にはわからなかった事も、わかる気がします。
「決して悪い人ではないのだけど・・・」
嫌われずして離れられてしまう男性というのも、淋しいモノだなぁと。
悩みや迷いに共感しつつも、爽やかな印象の10の連作短編。


ニシノユキヒコの恋と冒険
ニシノユキヒコの恋と冒険川上 弘美

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