今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。亡き父について本を書きたいという彼女らの思いにほだされ、一見普通な梶田の人生をたどり始めた三郎の前に、意外な情景が広がり始める―。稀代のストーリーテラーが丁寧に紡ぎだした、心揺るがすミステリー。
自転車にはねられて死亡する男性の人生を辿る物語。
ミステリーそのものは、深い謎解きがあるわけでもないし、ビックリするような展開が起こるわけでもない。
主人公も、刑事でも探偵でもない、すごく頭のキレる人間でもない、社会の中で肩身を狭くしながら生き抜いている、そんな男性である。
その主人公が、事故死した男性の生き様を辿りながら、自分自身の家庭での存在意義や、愛する者を守るという事について見つめ直していく。その姿に共感し、読了後に自分自身も、このテーマについて考えさせられていることに気付く。
男性に読んでもらうも良し、「お父さんってなんか嫌い」っていう娘さんに読んでもらうも良し。
| 誰か (文春文庫 み 17-6) | |
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